飛神、伏神


卦の上に出現していない六親五類(父母、兄弟、子孫、妻財、官鬼)の爻を伏神(ふくじん)

と呼び、その伏神の上に現れている爻を飛神(ひじん)と呼ぶ。

例えば、乾宮三世卦である下記の天地否(てんちひ)には、父母、兄弟、官鬼、妻財は

出現しているが、子孫は出現していない。

このような時には、首卦である乾為天(けんいてん)の子孫爻を同じ場所に持ってきて、

首卦と同じ爻の位置に伏させる。この場合、初爻の位置に当たる。

この子(水)の子孫を伏神といい、その上の未(土)の父母を飛神という。

父母
兄弟
官鬼
妻財
官鬼
父母
乾
坤











伏神(子孫、子)


■ 提抜(ていばつ)


伏神は飛神のように堂々と卦の表に出ていないため、用神としては弱いところがあり、

正々堂々と世の明るみに出られない何かがあることを示すこともある。

ただし、以下のケースの場合は、提抜と言って、伏神が世の明るみに出たと判断し、

暗いところはなく、吉と見る。

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【提抜の条件】
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@伏神から見て飛神が長生になっている、

A伏神が日辰月建(にっしんげっけん)から生じられている。

B伏神が日辰月建に臨んでいる。→ 同じ支を持つこと。

C伏神がその上の飛神から生じられている。

D伏神が他の動爻から生じられている。

E日辰月建または動爻から、自分の上にある飛神が剋されている。

F飛神が空亡(くうぼう)である。

G飛神が月破(げっぱ)である。→ 月と冲の関係にあること)

H飛神が休囚(きゅうしゅう)である。→ 月からも日からも、生じられたり臨んでもいない。

I飛神がその日において墓絶している。

 例えば、上記の天地否の場合、占った日が辰日だとすると飛神が墓に入り、伏神の

 子孫、子の爻が提抜されるとみる。

J伏神が旺相して空亡だった場合は、出空の日を待って提抜される。


反対に以下のケースの場合は伏神が提抜できないため、特に用神が伏神だった場合は、

吉と見ない。

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【提抜できない条件】
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@伏神が休囚無気で、日月から剋されているもの。

A飛神が旺相して、日月や動爻から生じられているもの。

B伏神が日辰、または飛神に墓絶するもの。

C伏神が休囚し、月破、日冲、または空亡にあうもの。