月破(げっぱ)、日冲(にっちゅう)、爻冲(こうちゅう)



■ 月破(げっぱ)


月建(月の支)から爻が冲されることを月破と呼ぶ。

2月の寅月に占った時は、申の爻が月破となり、3月の卯月に占った時は、

酉の爻が月破となる。このように月建から6つ先の支が冲になる。

月破の爻は、土爻以外は非常に力が弱り傷つくことになる。

土爻だけは、月破でも爻が旺じているので、それほど強い影響はない。

特に剋が伴った月破(剋破)の時には強い害を受けることになる。

8月(金剋木)9月(金剋木)11月(水剋火)12月(水剋火)がそれに当たる。

月破はその月を越えれば破ではなくなるが、剋破のように強い害を受けると

月を越えても、その傷は回復しないこともある。

爻自体が休囚、空亡、日辰や動爻から剋冲を受けているような月破は「真破」

といい、月を越えても全然力のない無用の爻と見る。

また、月破の爻が、日辰と同じ十二支だった場合、月破であっても破れず、

力は弱くならない。


■ 日冲(にっちゅう)


日辰から卦中の爻が冲されることを日冲、または日破(にっぱ)と言う。

月破と違って、その爻に活力を与えて起き上がらせる面もある。

具体的には次のような様々な影響がある。


・日辰から旺相の静爻が冲されると、その静爻は動爻と似た働きをする。
 これを「暗動」(あんどう)と呼ぶ。
 一般の動爻より、その働きが弱いと見るが、暗々裡(あんあんり)
 に動くと言われている。
 ただし、月破の爻は冲されても暗動とはならない。
 ※暗々裡(あんあんり)とは、人の知らないうち。ひそかな状態をいう。


・日辰から休囚の静爻が冲されると、無力となり何の働きもできない。
 これを「冲散」(ちゅうさん)または「日破」(にっぱ)と呼ぶ。

・日辰から旺相の動爻が冲されると、その爻は一時活動力を中止するが、
 合になる日になって、有用の働きをする。
 これを「冲中逢合」(ちゅうちゅうほうごう)と呼ぶ。
 これに対して、日辰に動爻が冲されると益々力が加わって強く動く
 という説もある。

・日辰から休囚の動爻が冲されると、その爻は冲散されて働きを失う。

・日辰から旺相でなおかつ空亡の静爻が冲されると、有用の働きをする。
 これを「冲実」(ちゅうじつ)と呼ぶ。
 休囚な爻なら「冲散」と見る。

・日辰が、合を帯びた爻を冲すれば、 物事が先にまとまり、後に散じる
 という意味がある。これを「合処逢冲」(ごうしょほうちゅう)と呼ぶ。

・動爻が剋に化した時(回頭の剋になった時)日辰がその化爻を冲すれば、
 その動爻は回頭の剋をまぬがれることができる。


■ 爻冲(こうちゅう)


★発動の爻冲

爻の中で、ある爻が発動して(動爻になって)他の爻を冲することを爻冲
と呼ぶ。爻冲は月破、日冲より強烈ではないが、冲として相当な力を持つ。

★暗動の爻冲

卦中の爻が日辰より暗動されて(旺相の静爻が冲されて)他の爻を冲する
場合でも、力を及ぼす。ただし動爻(発動の爻冲)よりも力は多少弱いと見る。

★動爻が冲に化すもの

動いて冲に化すことを「爻の反吟」(こうのはんぎん)と呼ぶ。
反吟は物事を繰り返すという意味がある。

★静爻の爻冲

爻は動かなければ他爻に力を及ぼさないが、静爻でもお互いに冲している
時には、ひそかにお互いそむく情があると見る。
結婚の占では、当方と相手方が冲になっていると円満にいかない。