■ 月建(げっけん)、日辰(にっしん)


占った時の年、月、日のことを三伝と言う。時空(じくう)とも呼ぶ。

断易における日常の占いでは、主として月と日だけを用いる。

この月(月建)と日(日辰)から用神に対する作用を見るだけで、

吉凶が8割決まるとまで言われている。したがって、卦中の動きより

日月の作用を先に見なければならない。



■ 月建(げっけん)


占う月を月建、または月令(げつれい)ともよぶ。

下記のように、月ごとに十二支が決まっているが、月は1日から30日、

または31日の月末までを指すのではなく、その月の節入りから翌月の

節入りの前日までとなる。節入りとは、二十四節気のうち月の前半に来る

十二の節が月の始めになる。年によって違うが、おおむね5〜8日になる。

また、月建はその月だけに作用し、月を越えればその力は弱くなる。


(ね)

(うし)

(とら)

(う)

(たつ)

(み)
11月 12月 1月 2月 3月 4月

(うま)

(ひつじ)

(さる)

(とり)

(いぬ)

(い)
5月 6月 7月 8月 9月 10月

立春 りっしゅん 2月4日頃
立春 りっしゅん 2月4日頃
啓蟄 けいちつ 3月6日頃
清明 せいめい 4月5日頃
立夏 りっか 5月5日頃
芒種 ぼうしゅ 6月6日頃
小暑 しょうしょ 7月7日頃
立秋 りっしゅう 8月7日頃
白露 はくろ 9月8日頃
寒露 かんろ 10月8日頃
立冬 りっとう 11月7日頃
大雪 たいせつ 12月7日頃
小寒 しょうかん 1月5日頃



■ 日辰(にっしん)


占う日の十二支(※別途カレンダー参照)のことを日辰と呼ぶ。

一般断易においては、月建よりも重く日辰をみる。

月建は、その月内だけであり、日辰は永久に力を失わないためである。

日辰が作用する以下の例をみても、力の強さと、影響力が大きいことがわかる。

1日ごとに日辰は変わるが、その1日とは、午前0時から午後11時59分まで

という説と、前日の午後11時(子の刻)から当日の午後10時59分までと

いう説があり、夜の11時を境とするか、0時を境にするかの違いがあるため、

その間の時間には占わない方が良いと思われる。



■ 日辰の作用について


・卦の中にある爻が日辰と同じ十二支の場合、休囚の爻も旺相にかわる。
 (日辰に臨むという)

・日辰が静爻(動爻ではない爻)と合の関係になると、動爻と同じような働きをする。
  これを「合起」(ごうき)と呼ぶ。

・日辰が動爻と合の関係になると、その動爻は動く働きが止まる。
 これを「合住」(ごうじゅう)と呼ぶ。

・日辰と生扶拱合(せいふきょうごう)の関係であれば、衰弱の爻も活力が生じる。
 生扶拱合とは次のいずれかを指す。
 1.日辰の五行から卦内の爻が生じられている場合 → 生(せい)
 2.日辰と同じ五行(日辰が寅で、用爻が卯のような場合) → 扶(ふ)
 3.日辰と同じ五行(日辰が卯で、用爻が寅のような場合) → 拱(きょう)
 4.日辰と合の関係になった場合

・日辰から旺相の静爻が冲されると、その静爻は動爻と似た働きをする。
 これを「暗動」(あんどう)と呼ぶ。
 一般の動爻より、その働きが弱いと見るが、暗々裡(あんあんり)
 に動くと言われている。
 ただし、月破の爻は冲されても暗動とはならない。
 ※暗々裡(あんあんり)とは、人の知らないうち。ひそかな状態をいう。

・日辰から休囚の静爻が冲されると、無力となり何の働きもできない。
 これを「冲散」(ちゅうさん)または「日破」(にっぱ)と呼ぶ。

・日辰から旺相の動爻が冲されると、その爻は一時活動力を中止するが、
 合になる日になって、有用の働きをする。
 これを「冲中逢合」(ちゅうちゅうほうごう)と呼ぶ。
 これに対して、日辰に動爻が冲されると益々力が加わって強く動く
 という説もある。

・日辰から休囚の動爻が冲されると、その爻は冲散されて働きを失う。

・日辰から旺相でなおかつ空亡の静爻が冲されると、有用の働きをする。
 これを「冲実」(ちゅうじつ)と呼ぶ。
 休囚な爻なら「冲散」と見る。

・日辰が、合を帯びた爻を冲すれば、 物事が先にまとまり、後に散じる
 という意味がある。これを「合処逢冲」(ごうしょほうちゅう)と呼ぶ。

・月破(月から冲されていること)の爻が、日辰と同じ十二支だった場合、
 月破であっても破れない。

・動爻が剋に化した時(回頭の剋になった時)日辰がその化爻を冲すれば、
 その動爻は回頭の剋をまぬがれることができる。

・日辰に対して長生になれば、その爻の力は将来ますます伸びる。

・日辰に対して帝旺になれば、現在すでに強力である。

・日辰に対して墓に入ると、衰弱する。
 活力、判断力などがなくなり、人にだまされたりすることがある。
 特に病人などは意識不明に陥るなどとみる。
 ただし、妻財爻が多現した場合、この日に儲かるとも言われている。

・日辰に対して絶になると、その力は非常に衰え、病人などは死ぬことがある。

・日辰から剋を受けると、その爻は非常に弱くなる。
 卦中の動爻から剋されるより、日辰から受ける剋の方が強い。