床にワックスは必要か?
一般家庭における床のワックスと言うとほとんどがフローリングを指すため、今回はフローリング床 に塗布する樹脂ワックス(以下ワックス)について、実際ワックスを塗ることが良いのかどうなのか、 お話させていただきます。
結論から申し上げますと、床材によってはワックスを塗らない方が良い場合もあります。 ワックスを塗布するのなら定期的なメンテナンス(ワックス剥離作業など)が必要です。
床にワックスを塗ることで光沢が出てキレイに見えるようになることと多少、床材の保護につながる というメリットはあります。ただ、これも一長一短でフローリング床にワックスを塗ることが必ずしも 良いことばかりではありません。
ワックスを塗布した直後は光沢も出てキレイですが、床を歩いたりすることで自然にワックスも擦れて
いずれなくなってしまいます。また、食べ物や飲み物、ペットの汚れなどが床に付着したままで放置すると
そこだけワックスがはがれてしまい斑(まだら)な状態になります。
また、何度も繰り返しワックスを塗ることでワックスが厚いところと薄い部分との差が生じてムラに
なったりワックスの中に汚れが蓄積して黒ずんできます。
こうなってしまうと今まで塗ったワックスを一度はがす剥離(はくり)作業が必要になります。
この剥離作業というのは手間と時間がかかります。
さらに、剥離作業する際に注意しなければならない点があります。
最近のフローリングの床材には、紙を圧縮して板っぽくつくられたフローリングやベニヤ板に木目調の
薄いシートが貼ってあるだけのフローリングなどがあり、そのような床に剥離するための薬品(剥離剤)
をつけると板が変形したり素材の表面がはがれてしまうなどのリスクがあります。
その他にもワックスを塗らなくても大丈夫なフローリング(ノンワックスタイプ)にワックスを塗ると
ワックスが剥がれやすくなる密着不良を起こして逆に汚らしくなることもあります。
我々のような掃除業者が、賃貸物件のクリーニングをする場合、掃除の後にワックスを塗布します。 その方が光沢も出て見栄えもするからだと思いますが、床が傷んでくると床材自体を交換するか、 定期的にワックスの剥離作業を行うなどの定期的なメンテナンスをしていることが多いです。
(2017年2月現在)