フィルターお掃除機能付きエアコンについて
メーカーによって名称も異なりますが、「フィルター自動おそうじ機能」と呼ばれる 機種が最近増えてきています。 これは、エアコンのフィルターについているホコリだけを自動で掃除してくれる機能 なのですが、これがかなり曲者（クセモノ）で、皮肉なことに、その機能がついて ないエアコンよりも汚れていることが多いです。
「フィルターを自動で掃除してくれる」という発想はすばらしいと思いますが、 実際、エアコンを分解をすると汚れのすごさに驚くことがよくあります。 特にタバコを沢山吸う家や、キッチンに近いところに設置されているお掃除エアコンは フィルターが目詰まりして不具合が起きやすいです。
このようにタバコのヤニ汚れにホコリが蓄積してしまうとお掃除機能が働いていても 汚れをなすりつけているだけになります。
フィルタを外して洗ってキレイになりました。
エアコンは、使えば使うほど必ず汚れる製品です。 特に冷房を使うと内部が冷やされることで結露が生じ、その濡れた部分に部屋の中の ホコリを含んだ空気を吸い込むので、そのたびに濡れた内部にホコリが付着していき、 そのうちカビが発生するということになります。 内部クリーン機能、プラズマクラスター、ナノイオン、防カビ機能など、様々な機能は 存在しますが、どんなに高機能なエアコンでも使っていれば必ず汚れます。
あくまでも私個人の意見ですが、これから購入を考えているのであれば、間違いなく そのような機能はついていないエアコンを選んだ方が良いでしょう。 ただ残念ながら、最近は電気量販店に行ってもリビング用などの大型のタイプは、 おそうじ機能付きエアコンしか置いていないことが多いようです。 若干ですが、メーカーによっては、大型のタイプでもお掃除機能付きではない タイプも存在します。 メーカーや量販店は、エアコンに色々な機能や付加価値をつけて高く売りたいのだと 思いますが、もう少しアフターメンテナンスのことを考えて作ってほしいものです。
残念ながら、シンプルなノーマルエアコンと比べると、おそうじ機能付きエアコンは 分解したり組み立てたりするための時間と手間が倍以上かかるため価格も単純に約２倍になります。 中には格安でエアコンクリーニングを行う業者もいますが、作業が雑だったり、途中 までしか分解しないために中途半端に汚れが残っていたりするケースもあります。 また、分解が面倒なので対応しない掃除業者も多いです。 「フィルター自動おそうじ機能エアコン」の分解クリーニングは、１台で平均３時間 くらいかかります。もし、ひとりで１時間程度の作業時間だったり、１万円前後で 作業する業者がいたとしたら、おそらくどこか手を抜いていると思われます。
すでに「フィルター自動おそうじ機能エアコン」をお持ちで、2、3年以上お使いの場合は 分解洗浄をお奨めします。 汚れの目安としては、エアコンの風が出る吹き出し口のあたりを懐中電灯で照らすと 奥を少し覗けると思いますが、見えづらい場合はエアコンの運転ボタンを押すと羽根 （フラップ、風向ルーバーとも呼ぶ）が開くので、その周辺がカビで黒い斑点が沢山 ついていれば、中はかなり汚れていると思われます。
（2016年10月現在）
