用神(ようじん)


用神とは、占う対象のことであり、、「父母」「兄弟」「子孫」「妻財」「官鬼」の

六親五類(りくしんごるい)と「世爻」(せこう)と「応爻」(おうこう)のいずれかに

当てはめて占う。それぞれの意味は次の通りである。


■ 父母「我を生じてくれるもの」


自分を育ててくれる父母、祖父母、目上、先生、書籍、文書、学問、衣服、家屋、

通信、筆記試験(実技は子孫)、体や物を覆うもの、不動産、乗り物、雨具、

会社の社長、広告、看板、印鑑、通帳、キャッシュカード、定期券、カギ、手紙、

選名(名前)、住所、など。

天候では植物に潤いを与える雨にとる。


■ 官鬼「我を剋するもの」


自分を拘束し、自分に威圧や害を加えるものは、すべて官鬼を用神とする。

病気、女性にとっての異性運(夫、恋人)、仕事、就職、夫の兄弟親友、出世、

仕事先の上司、支配人、官庁(裁判所、税務署、警察署など)、盗賊、天災地変、

鉄砲、刀剣、なども含む。天候では雷、暴風雨、台風、地震にとる。


■ 兄弟「我と同じもの」


兄弟、同僚、競争者、破財の星(財産の星である妻財を剋すため)とみる。

天候では風や雲にとる。

自分の金運を占った時に、世爻と同じ爻に、この兄弟がついていれば、破財を意味

することから凶とみる。

その他、入れ歯、義手、義足、健康器具、運動用品、など。


■ 妻財「我から剋すもの」


金銭財産(お金)、貴重品、宝物、道具や日用品など自分が利用し、利潤を得るもの、

男性にとっての異性運(妻、恋人)、売上げ、家具、食事、携帯電話、食べ物、

楽しむものなどが含まれる。

病気ではないが、体調が良くないなどの場合は、妻財が用神となる。

天候では晴れにとる。(雨の父母を剋すから)


■ 子孫「我から生ずるもの」


子供、孫、部下、我に災害を与える官鬼を剋すことから、自分を守る良薬や名医、

災難を免れる方位にも見る。また、能力、楽器、玩具、ペット、楽しむもの、

警察官、僧侶、ホームヘルパーなども含まれる。

ただし、官鬼を剋すため、功名、官職の占いでは凶とみる。

天候では日月星辰(じつげつせいしん)にとる。

日月星辰は、太陽・月・星または星座を表すため、晴れとみる。


■ 世爻


世爻とは、自分自身のことを意味することから、自分のことを占う場合、世爻を

用神とするが、自分に関係のあることに関しては、その用神と共に世爻も見る。

自分が失物をした時、自分と相手のことなどは、その用神と世爻を見て判断する。

また、占う人が本人の代理で占う時などは、世爻を用神とする。

世爻は八純卦の首卦では、上爻にあり、一世卦では初爻、二世卦は二爻と、

その名の示す爻の位置にあるが、遊魂卦は四爻、帰魂卦は三爻に位置する。


■ 応爻


応爻は、世爻から2つ隔てた爻にあり、五類の何れにも当てはめることができない

特定の相手を占う場合は、応爻を用神とする。病占では応爻を医者、病院とも見る。

結婚占では、相手方の実家(この場合は、当方の家を世爻をとる)と見る。

ただし、男子16歳、女子14歳未満の者は、応爻を用神とすれば、必ず誤断に

陥るとも言われている。




※同じものでも、占う目的によって用神は変化するので注意する。