陰と陽


断易において、陰と陽は重要な役割を担っており、爻(こう)と呼ばれる棒に

よって構成される。その爻には、陽爻「─」と、陰爻「--」の2種類があり、

それを3つを組み合わせると、全部で8通りの組み合わせができる。

2種類の3乗、つまり、2×2×2=8、となる。

その8種類のものを八卦(はっけ)と呼ぶ。

さらにその八卦を2つ組み合わせると、全部で64通りの組み合わせができる。

8種類の2乗、つまり、8×8=64、となる。

これを64卦(ろくじゅうしか)と呼ぶ。

このように、陰と陽を組み合わせた卦(か)と呼ばれるものが、基本となり、

森羅万象を表象すると考えられている。


■ 占的(せんてき)


まず初めに占いを行う際に、占的(占う目的)を強く念じることが肝心だが、

その後に、3つのサイコロを同時に振って、出た目に応じてそれぞれ陰と陽を出す。

また占的に関しては、「・・・がうまくいくか?」「・・・は成功するか?」

というふうに、可能性がある方をとって占う。


■ 卦(か)を立てる


サイコロを同時に3つ振ると、それぞれの下記のようなパターンに分けられる。

断易では、さらにそれを6回繰り返し、1回目を下の方からに順番に記入する。

このようにサイコロなどで、陰と陽の組み合わせから64卦の中のいずれかを

出すことを「卦を立てる」または「立卦」(りっか)と言う。


奇数の目が1つだけの場合 → 少陽(しょうよう)→ ─

すべて奇数の目だった場合 → 老陽(ろうよう)→ ○

偶数の目が1つだけの場合 → 少陰(しょういん)→ −−

すべて偶数の目だった場合 → 老陰(ろういん)→ ×

本卦(ほんか) 変化 之卦(しか)
↑下から上に
6回目
5回目
4回目
3回目
2回目
1回目
上爻
5爻
4爻
3爻
2爻
初爻
震
震
−−
−−

−−
×

少陰
少陰
少陽
少陰
老陰
老陽
偶数1つ
偶数1つ
奇数1つ
偶数1つ
偶数3つ
奇数3つ
なし
なし
なし
なし
反転
反転
震
坎






1回目と2回目に振った目が、それぞれ老陰、老陽だったため、 極まって

逆の陰と陽に変化した。これは「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰になる」

という原則に基づいている。

その変化する爻を「動爻」(どうこう)と呼ぶ。

ここでは、老陰、老陽の該当する初爻と2爻が、それにあたる。

また、それぞれ陰が陽になり、陽が陰になる変化した後の爻を変爻(へんこう)または

化出爻(かしつこう)、化爻(かこう)などと呼び、その変じ方いかんが、占時に重大

な関係を及ぼす。